鳩の子どもとの三日間 その1

5月1日
 4月28日、日曜日の昼過ぎのこと、岡山で仕事をしている松島さんが「和尚さん、少し相談があるのですが」と来てくれた。土日は、伊勢に帰ってくるが、もともと岡山出身だから、故郷に仕事をしに帰っているようなものと、ひとしきり今の仕事の話に花が咲いた。、今日は鈴鹿で会議があった帰りだという。

 「ところで相談なんですが…」とやっと本題の話に戻った。松島さんが話してくれたことは、ざっとこんなことである。

 「会議のために鈴鹿に出かけたら、街中で鳩の子どもと目があってしまった。道を歩いていた。このままでは車に惹かれてしまう。猫に食べられてしまうではないか…とあたりを見回したが、鳩の巣らしきものはなにもない。上の方から親鳩らしきものが見ているのだけれども、親かどうかはわからない。どうしよう…、どうしよう…、会議の時間も迫ってくる。いいか、ここから動くな、車に引かれるからな…とその場を離れた。

 会議をしていても、鳩のことが気になって仕方がない。気が気でなかった…。

 やっと会議が終わって、二時間後にそこに行ってみた。そしたら、なんと、鳩はその場に留まったままだった。

 思わず私は、ドコモの店に飛び込んで、箱をもらえませんかと訳を話して、ちょうど良い箱をもらった。
 
 そのドコモの店員の青年もいい人で、鈴鹿の動物愛護センターの電話番号を調べてくれた。
 鳩の子を拾ったがなんとかしてもらえないか…と頼むと、それは…なんともなりません…の返事。
 しかたがないので、電車に乗せてつれてくることにした。

  電車の中で問題になるといけないので、ちゃんと駅員さんに申し出て、乗せてもいいかと尋ね、
 鳴かなければいいと言われて、気をつけて連れてきた。

  駅に迎えに来た家内が、慶蔵院に行くという。それで、相談にのってもらおうと思った。


 そういうと松島さんは、ドコモの箱に入った、まだ産毛の残る小さな鳩の子どもを車から持ってきて見せてくれた。まだ小さい。しかし育てられないこともない大きさにまでは成長している。体に産毛が残ってはいるものの、羽は生えている。人間をおそれないことが不思議だ。お腹がすいている様子でもない。巣から落ちたにしても、親鳥が世話をしてきたことは間違いない。人間を怖がらないところから考えると、ひょっとして誰かが育てていて、歩けるようになった小鳩を捨てたか、逃げたか…。しかし、手から餌を貰おうとはしないし、嘴はまだ親から口移しで餌をもらう子どもの嘴の状態だから、自分では食べることができない。世話には手間隙がかかる。

 鈴鹿から、なぜ慶蔵院まで来ることになったのだろうか。ご縁があったのだろう。わかりました。私が飼いましょうと返事をした。
 
 では、名前をつけましょう。松島さんが持ってきてくれた鳩だから。「マーちゃん」にしようかというと、松島さんが驚いて「私は小さい頃からマーちゃんと呼ばれていたんです。」と。

 これで決まり。小さな鳩のマーちゃんは、慶蔵院の一員に仲間入りをすることになった。

 

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